登園拒否 その10

緑山幼稚園の見学から、実際の試験まで1か月くらい間が開いてしまった。

溶連菌感染症に罹ってしまい、これから快復できず、試験日を延ばし延ばししてもらっていたのだった。

このままでは幼稚園に悪い印象を与えかねないし、私たち夫婦は悩んでいた。

特に下痢が止まらずに、まさか試験の時にそうなるわけにはいかず、症状が治まるのを待っていたのだけれど。

私たちは診断を受けたクリニックとは違う、家近くの総合病院に駆け込み、試験があるのだけれど、受けられなくて困っているという旨を、担当してくださった小児科医に話した。

すると先生は『お守りに』と、下痢止めを処方してくださった。

もうここまで来たら一か八か、キューリくんが試験中に粗相をしてしまったとしたら、それはご縁がなかったことだと半ば開き直り、いざ試験に臨んだ。

試験当日は下痢止めを飲ませたことはもちろん、万が一のためにオムツをはかせた。

その結果、あらゆる努力が報われたのか、キューリくんは幼稚園の試験に合格する。

登園拒否半年の苦労が、一瞬にして報われた、そんな気分にさせられた。

さて美酒(またはカルピス)に酔っている暇もなく、このことを保育園に伝えて退園の手続きを即座に取らなければならない。

そうでなければ幼稚園、保育園2園の二重在籍になってしまう。

私はその辺の細かいやり取りは主人に任せた。

というのもすでにキューリくんの試験当日は、私は具合が悪くなり家で休み、実際の試験はキューリくんと夫の二人で行ってもらったのだった。

この体調不良はおそらく精神的なこともあるだろうし、そういうことならば、ということで主人が手続きなどは引き受けてくれた。

これは主人から聞いた話なので、受け取り方は様々ではあるともいえるが、とにかく一報を保育園の方へ入れた時である。

特に「おめでとうございます」ということを言われることもなく、事務的な手続きの話に入ったという。

1歳からお世話になり、イジメに遭ったとはいえ、5歳までいた保育園にだ。悪い思い出ばかりでもない。

それなのに、そんな言い方というのはないのでは?という冷たい電話の受け方をされたという。

これがあの保育園の本性なのだろうなあと、そういう経験のない主人からしたらショックだったろうけれど、『そこまでのヤツらだよ』と私は説明した。

後は荷物をまとめて取りに伺います、ということだけ保育園には伝え、キューリくんの約5年に渡る保育園生活は終わった。

「キューリくん。12月からはジャングルジムのあるところに行くんだよ」

「自由にできるの?」

「できるよ。キューリくんは幼稚園の子どもになったんだから」

「やったー!」

幼稚園とは何ぞやという理解がおそらくないまま、ジャングルジムに心惹かれているに違いない。

でも保育園だろうと幼稚園だろうと、キューリくんが自発的に楽しく通ってくれること、それが両親の願いなのである。

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