セッション5では『子どもの協力を増やす方法』として、『効果的な指示の出し方』というものを学んだ。
さてここで指示とはどういうことだろうか。
それは「~を始めなさい」「~はやめなさい」と、子どもがやるべき行動を伝えることである。
ただし、お説教とは違うので、高圧的な態度で指示を出すというわけではない。これはポイントの1つである。
ではどのような方法で子どもに指示を与えるべきか。まずは大人が真剣な声と態度で臨むことが必要になってくる。
具体的には
- 子どもの注意を引く
- 視線を合わせる
- 指示は短く、具体的に
- 落ち着いて、口調はきっぱりと、言い切る
- どんな小さなことでも子どもが従おうとしたらすぐにほめる
さらに指示を出すときには常にCCQを心がけるべきである。
- C: Calm あなた自身が穏やかに
- C: Close 子どもにもう少し近づいて
- Q: Quiet 声のトーンを抑えて静かに
それからよくある場面として、子どもは1回の指示で従うとは限らないものだ。その場合、指示を繰り返し出す必要があったりする。
この指示を繰り返す時にもやはりCCQを意識して行うべきであり、大人は冷静な眼差しで子どもを見守り、それから状況を判断しなければならない。
以下指示を繰り返す時の具体的な方法。
- 子どもが指示に従うまで、少し時間を与える
すぐに指示に従わないなら、視線をそらしてその場を去る - 子どもが必要とすると思われる回数指示を繰り返す
- もし、子どもが指示に従った、あるいは従おうとしたら、すぐにほめる
- 指示を繰り返しても従わない時は「警告」を与える
また『予告する』という方法も『効果的な指示の出し方』に含まれる。
これは今子どもがしていることが大人にとって望まないものならば、つまり今すぐやめてもらいたいものならば、そのことを子どもに知らせる方法になる。
予告することで子どもが心の整理、準備をすることができ、結果としてスムーズに指示に従ってくれることになる、という考え方だ。
「ランドセルの中身を出して、片付けてきてね」「おやつの前までにやっちゃおうね!」
このように具体的に予告を与えることで、子どもは自分のやるべきことを把握し、自ら取るべき行動が鮮明となり、結果協力を増やす方向となる。
そしてその行動が日常化されつつあったとしても、必ず子どもをほめる。
そうするとほめられている自分に自信を持つようになり、より、もっと、と協力する事柄が増えて行くように私はキューリくんを見ていて思ったところである。
「キューリくんはいつも学校から帰ると自分のお部屋にランドセルを持って行ってえらいね!(まあ、当たり前なんだけどね!)」
「2階までランドセル運んでくれるの、重いしお母さん助かるわ(勿論他に運んでもらいたいものもあるけれど)」
こんな具合で根気よく。
私が感じたこととしては、あまり一度に複数の指示を出さず、複数の指示を出したいところをグッと堪えて、1つ~2つの指示を与えるのが成功しやすい。
また成功することは本人の自信にも繋がり、新たな指示を出せることに繋がっていった(キューリくんの場合、ランドセルだけではなく、制服や制帽、セカンドバッグを一度に運び、所定の位置に収納できるようになった)。
以下、ホームワークになる。心理士の先生の添削(赤字)も載せるので参考になれば。
あなたが出した指示 | 子どもがそれに対してしたこと /言ったこと |
---|---|
①お母さんも自分のものを片付けるから、キューリくんも自分のものを片付けよう | ①はーい(と言って片付けない) |
②母、無言で自分の片付けをする 「あーキレイになった!」 →「片付けない」という好ましくない行動を上手に無視されています |
②キューリくん「ぼくも片付けるよ!」とハイスピードで片付け |
③あっすごいね。いつもこういう風にお片付けできるといいね →「具体的に行動をほめる」ことを意識して、「素早く片付けられてすごいね」というように伝えると「何が良かったのか」ということが子どもに伝わりやすくなります |
③いつもは一人では行けない2階の自分の部屋に物を運ぶ |
④わあきれいになったね。それじゃあ動画をいつもより多く見ていいよ。お父さんには内緒ね | ④うん、内緒内緒 |
★彼もお母さんからほめられ、さらに特典(オマケ)ももらえて二重に嬉しかったでしょうね。「~したら…できる」の取り決めスキルを使用する際、必ず「好ましい行動に対して具体的に言葉でほめる」ことを追加することが大事です。