セッション5とセッション6では『子どもの協力を増やす方法』を学んできた。
セッション7でもまた、子どもの協力を増やす方法としてセッション5、6とは違う方法を学んだ。
「よりよい行動のためのチャート」BBC(Better Behavior Chart)
BBC(Better Behavior Chart)とは、子どもに「してほしい」「もっとするようになってほしい」と思うことを5~6つ選び、リストにして壁に貼っておくというものだ。
先生から言われたのは、「一日のうちで最も困っている(改善したい)時間帯」を表にするとよい、ということ。最後に実例をお見せするが、私たちの場合、風呂から上がって寝るまでの時間帯を取り上げることにした。
この表を使うことで、単に親がガミガミ言うのではなく、子どもの協力を引き出すことができる。その結果、親子ともに心穏やかに、「早く寝る」という目標を達成することができる。
BBCの作り方
それではBBCの作り方を見ていく。
- 1日の中で特に問題が多く、スムーズに進まない時間帯を取り上げる
- その時間帯に子どもがやらねばならない行動を5~6つ選ぶ
- 選んだ行動を以下のように分類する:
- 普段からよくできている行動(◎)…3つ
- 時々する行動(○)…2つ
- まれにしかしない行動(△)…1つ
- 選んだ行動を、「◎」と「○」「△」が交互になるように並べ替える
- 選んだ行動に何か親の手助けが必要なら記入する
ポイントは「今でも大体できていること」、つまり「◎」の行動を半数混ぜておくということ。「◎」の数が足りないようなら、行動のハードルを下げる(手助けを入れる、達成目標をとりあえず低くする)ことで数を確保する。「◎」で褒めたあとに、ハードルの高い「○」や「△」に取り組ませるのがミソだ。
そして、実際に使い始める前に親がこっそり「試験的な記録表」をつけ、「◎」「○」「△」の想定がどの程度合っているかを確認する。想定と違っていれば表を変えてみる。うまくいきそうなら、子どもを巻き込んでいよいよスタートとなる。
BBCの使い方
いよいよBBCを実際に使っていく。
- BBCに行動を書き入れる。その際、子どもが読んで(見て)課題を思い出せるようにする。
- 子どもに(理想的には家族全員に)BBCを紹介する。伝えるべきことは以下。
- 物事がスムーズに進むように表を作ったこと
- 行動を1つするごとに、親が空欄に星印を書き込む(or シールを貼る)こと
- 1日の終わりに子どもと一緒に星印の数を数えること
- 子どもにチャートを貼る場所を選ばせる。
- ご褒美や特典を決める(高価でなく、子どもが望んでおり、親が与えてもいいと思えるもの)
- 子どもがその行動をした時には、すかさずほめ、チャートに星印を書き込む。
- 1日の終わりに親子で星の数を数え、その日にやれた行動を褒める。家族にもそのことを知らせる。うまくできなかったことは重視しない。
- 週末(あるいは星印がたまった際)ご褒美や特典を与える。
あくまで「褒めるツール」なので、できなかった項目に「×」をつけるなどしてはいけない。
この週の宿題は「試験的な記録表」を作ってみることだった。項目は先生と相談しながら6つ選び、早速やってみた。以下がその結果である。「行動」の欄に「声かけして」「声かけ3回で」など、親の援助やハードルを下げる工夫があることに注目してほしい。
行動 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 何日できて いるか? |
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①21時までに風呂から上がる | ○ | ○ | ○ | ○ | - | 4/4 ◎ |
②声かけしてパンツをはく | ○ | ○ | × | ○ | - | 3/4 ○ |
③頭を乾かすために親のところへ行く | ○ | ○ | ○ | ○ | - | 4/4 ◎ |
④声かけして今日出したものを片付ける | - | ○ | × | ○ | - | 2/3 △ |
⑤声かけ3回で歯を磨く | ○ | ○ | ○ | ○ | × | 4/5 ○ |
⑥22時までに布団に入る | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 5/5 ◎ |