マンガは読書の一種なのか

春休み最終日の昨日は、キューリくんと二人で『藤子・F・不二雄ミュージアム』へ。

はじめて訪れるそこは、楽しみ半分不安半分という感じで、(一体どんなところなんだろう)という気持ちで私はいっぱいだった。

一方キューリくんはというと、緊張を取るためなのか、ただそうしたいだけなのか、道中ずっと山のように買い込んだお菓子を食べ続け、ミュージアム到着を今かと待つ。

さてそもそも、何故藤子・F・不二雄ミュージアムへ遊びに行くことになったかというと、春休みの暇を持て余してではない。そうではなくて、キューリくんが最近ドラえもんの熱烈なファンであるからだった。

はじめはドラえもんのアニメをユーチューブで鑑賞することからはじまったわけだけれど、徐々にマンガを読むことに移行していったのだ。

そうは言っても一昨日3巻を買い与えたばかりなので、ドラえもんのファンとしては日が浅いだろう。

しかし、このことは私たち両親にとっては衝撃的な出来事なのだ。

何故ならばキューリくんは今まで一度も自分から進んで活字を読んだことがないからだ。そう、いわゆる『読書』を全くしない。

小学生におすすめらしい本を買い与えては、半ば無理矢理読ませたりしていたけれど、本当に理解しているかどうか怪しいところだったし、何よりも本人が全く読書を楽しんでいない様子なのであった。

転機が訪れたのは、2週間に一度通っている耳鼻咽喉科の待合室ではないか。

待合室の本棚にはいつだってドラえもんのマンガがずらりと並んでいた。けれどキューリくんは興味を全く示していなかった。ドラえもんとの接触が、それまでなかったことが原因であると思われる。

ところがドラえもんのアニメを観るようになった現在、ある程度内容を理解できると踏んだのか、何冊もある中から、一冊を引き抜いてきたのだ。

さらには他にも理由があると思われ、それは待合室にはキューリくんの他にも何人か子どもがいて、皆思い思いに気に入った一冊を(ドラえもん以外のものも含む)棚から引っ張りだして、席に着いて読んでいたのである。

おそらく(皆には負けられない)、という競争心が芽生えたのだとも思われる。

とにかくキューリくんは私の隣に座り、熱心にドラえもんのマンガを読みだしたのだった。

それでもいつもだと5分と経たないうちに本を投げ出すのだけれど、このドラえもんのマンガに関しては、キューリくんの名前が呼ばれて診察室に入るまで手放さずに、ずっと真剣に読んでいたのだ。

そういうキューリくんの姿が意外だったし、またこの火を絶やさないようにしてほしいと、昨日はミュージアムまで遊びに行ったのだった。

おみやげは活字に関係ないぬいぐるみやフィギュアなどを買い求めていたが、そこは小学校低学年らしくご愛敬。「いいじゃないか」と笑ったのだった。

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