最近深い祈りで始まる我が家の朝である。
どうかキューリくんが学校へ行ってくれますように。
どうかヘソを曲げずに登校してくれますように。
さてキューリくん、キューリくんもただただ闇雲に学校をお休みしているわけではない。
一応彼なりに筋は通して学校を休んでいるらしいのだ。
昨日の晩、夜眠る前にこんな話になった。
『女子がカッコつけているから学校がヤダ』
これは昔でいうブリッ子のことを指しているようだ。
キューリくんとしては、普通にすればいいのに、いつもとは違う高く可愛らしい声で先生にはお返事をしたり、音楽の授業ではリズムを取り体を大げさにゆすりながら歌っているのが『キモイ』のだという。
そうか。でもきっと女子はそれがカワイイと思ってやっているんだけどな。
私も小学生の時、キューリくんのように目線が冷めていたので、そういう女子を見かけるたびに違和感を感じていたから、キューリくんの気持ちがとても分かるのだけれど、ただ登校拒否の理由の一部になるようなことまではなかった。
「女子はさ、ああいうのがカッコいいと思ってやっているんだよ」
「普通にやればいいじゃん。絶対に変だと思うよ」
「男子のキューリくんからしたらそうかもしれないけれど、女子はカッコいいと思っているんだよ」
「でもお母さんやってないじゃん」
「お母さんは女子じゃないけど、でも例えばお店で料理の注文をする時なんか、普段の言い方じゃないでしょ?」
「あれは丁寧語を使っているんでしょ。その方が店員さんに伝わるだろうし」
屁理屈コネコネである。
結局夜11時過ぎまでこんな感じで女子に対する違和感を述べまくり、ようやく入眠したキューリくん。
今朝はまだ起きてこない。
起きてこられずまた学校を欠席ということになるかもしれない予感。
しかも理由が結論からすると夜更かしということ。
◇
毎日、この時、主人も私も心で祈りをささげる。
どこの神様にっていうわけでもないけれど、その一瞬だけ心は清らかにする代わりに、運命に従順であるというより、運命を捻じ曲げてまでもキューリくんの登校に成功させたい、と強く願っている。
それにしても起きてこない。
どうなる、今日のキューリくん。
起きた!