ADHD児の将来の夢

キューリくんも一般の小学2年生と同様に、色々な習い事をしてきたし、している。

くもん、空手、英会話、サッカー、スイミング、絵画教室。

今はパニックになるのを避けるために、厳選してスイミングと絵画教室しかやらせていない。

それしかやっていないの?と思うお母さまもいるのかもしれないけれど、我が家の場合正直この2つを完璧にこなすのだけでも、一週間の内で相当の労力を使い果たすのだ。

まずは1つの理由として、私が双極性障害という気分がコロコロと変わる病気のために、キューリくんを習い事に連れて行かなければならない時間だというのに、突然深い鬱に落ち込んだりして連れて行くことができなくなることが多い。

2つ目の理由としては、キューリくん本人の気分が乗らない、いわゆる『サボり』の時も特にスイミングでは生じる。

けれどスクールにはお助け制度である振替があり、この蓄えられたサボりの時間を別の時間へ割り振ることができるのだ。

結果本来ならば週2回で済むはずのスイミングが、気付けば週5回になっていたりする時もある。

こうして結局一週間ほぼ毎日欠かさず送り迎えのために外出しなければならず、それは病気を2つ抱える私にとっては酷であり、週末になると精神的にも肉体的にもぐったりしてしまうのは毎度のことである。

さてそんな悪条件の中、キューリくんが唯一サボりたがらず、今でも続いている習い事が絵画教室。

本人たっての希望ではじめたものなのだけれど、これが楽しいのか、体調を崩したという以外の理由ではサボることもなく、真面目に通い続けている(作品の一部はかっちゃんブログ)。

学校の授業では、ある程度決まったものを描いたり作ったりするようなので、全く自由に自分の好きなものを描けるという絵画教室は、キューリくんにはとても合っているらしく、本当にうれしそうに通っている。

親の私としても通わせる意図というものが勿論あり、何か1つ自分の強みになるものを作ってもらいたいということと、もしかするとADHDということで、いわゆる普通の道を進むように導くよりは、こちらの道を歩んでも良いのでは?とも考えなくもない。

また本人もまんざらでもなく、作品を描いては「この絵何円で売れる?」とたびたびセールスをかけてくる辺り、もう小さな職業画家なのかもしれない。

最近ではさらに拍車がかかり、「もっと絵を勉強して、高く絵が売れるようになるんだ!」「お金を貯めてクラウンマジェスタに乗るんだ」と息巻いているほどだ。

「お母さん、これ買って」

一昨日訪れた美術館のミュージアムショップで、大して選びもせず、買ってくれとキューリくんが持ってきたものは、奈良美智のポストカードであった。

やるな、キューリくん。

奈良さんは、まさに自分の才能だけでのし上がった人物。

そこにシンパシーを感じたということは、あなたもやれば成功するかもしれないってことだよ。

好きなこと、頑張って磨きなよ。

そうしたらクラウンマジェスタに乗れるかもね。

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