親がADHDの場合、その子どももADHDである可能性は非ADHDの親の場合と比べると5〜10倍高いと言われているようだ。
これを確率に直すと、親がADHDの場合、つまり50〜80%(平均70%)の確率で遺伝する、という研究結果が出ている。
ということはかなりの高確率で子から親に遺伝する障害なのであり、子どもが診断され、そのルーツを知りたい場合、まずは親自身はADHDなのか否か、ということを疑った方がよさそうである。
我が家の場合、私はSLEという難病と双極性障害という精神疾患を患っていることは確かであるが、幼少期のエピソードをほじくり返してもADHDに当てはまるようなものはない。
一方主人の場合、ADHDそのもののような感じであり、『片付けない』『片付けてきれいにしようという概念が欠落している』『人の話を聞いていないように見える』『目を合わせない』『感情表現に乏しい』『自分のこと以外あまり興味がないように見える』『会話が続かない』。
挙げればキリがないほど、ADHDの疑わしさは増すばかりであるが、さてここで疑問なのが、義理の両親は何も気付いていなかったのか、ということである。
毎日一緒に生活しているのだから、何も気付かず、ということでは済まされないだろう。
これはおそらく、ADHDという言葉が使われるようになってから20年程しか経っておらず、また主人の『勉強が異常にできる』という陰に隠れて勘弁されてきた部分があるのではなかろうか、と推測する。
ところが「勉強ができるからいい」と棚上げし、彼の個性だからと認めたことによって次の世代になるキューリくんに遺伝したのかもしれなく、主人の場合はあまり苦しんでいないのかもしれないが、キューリくんは完全にこの障害に苦しめられており、つまり遺伝によってキューリくんは苦しむはめになっているのかもしれない、ということだ。
義理の両親は医者ではないし、当時ネットが普及していたわけではないので無知であるのは仕方ないと思うが、今の感覚からすればあり得ないほどの無責任ぶりである。
さてそういうわけで来週、キューリくんが何を理由にADHDになったかを明らかにするために、まずは一番疑わしき主人に来週精神科へ行ってもらうことになっている。
そこでADHDと診断されたからといってキューリくんのADHDが治るわけではないけれど、ルーツを探るというのは特に患者家族にとっては不安を一つ潰せることのように思うし、決して無駄ではないように思われるのだ。
しかしこれはあくまでも可能性の1つであって、『早産で生まれた』や『養育環境』なども関係してくると考えられるので、一概に『遺伝』だけが理由で、という風に言い放つのは勿論間違いではあるが。