三者面談は主人が会社を早退して行ってくれた。
なお我々夫婦的には、何を言われようと反論できるように、相当対策を練ったわけだけれど。
ところが三者面談の場では、担任も学年主任もキューリくんを褒めるばかりで、問題を指摘されるようなことはなかったようである。
私との対応の差は一体何なのだろう。
思うにこれは学歴差別意識からくる対応の違いである。
私立小学校というのは、少なくともキューリくんの学校では受験書類に備考欄なるものが存在し、ここに両親の最終学歴を書き込むようになっている。
なので教師はそこから我々夫婦の最終学歴情報を易々と手に入れることができるのだろう。
それから主人は、ネットで調べればすぐに出てくるような有名人なので、担任や主任は検索し、今風な情報の得方をしたのかもしれない。
とにかく学年主任の口ぶりでは、主人の学歴経歴を知っているんだなーという発言が随所に感じられるのだ。
一方私はと言えば、御茶ノ水にあるチャラチャラした大学出身なのであり、真面目に大学受験をした者にとっては、ある意味大学と認めたくない学校なのかもしれない。
ところが伝統あるれっきとした大学であり、そういうところがもしかすると、特に私立大学の最上位校と言われる諸君からは嫌われるのかもしれない。
さて教師とは公平な立場を常に取るべきであり、己なんてのは殺して物事に接するべきであり、中庸であり、冷静であるべきだと思われる。
なのにこの学年主任というのは、東大出身の主人の前では声が上ずり、明治出身の私に対しては見下す姿勢を取る。
これはつまり「私は明治以上東大以下の出身です」と自己紹介しているようなもので、せっかくインテリジェントなはずなのに、自らストゥーピッドになり下がってしまっているということに気付いていないのである。
そういうわけで、キューリくんは大した問題もないくせに、私に対しては「問題がありすぎて説明しきれません!」のような発言をしておきながら、主人の前では何も問題はありません、のような発言を放った主任。
最高学府にひれ伏し、おべんちゃら言っているだけの、ケツの穴の小さい人間らしい人間なのかもしれないけれど。
今後、全ての学校からの呼び出しに対しては主人を派遣しようと、夫婦会議で決定した事項であることは言うまでもない。